12月 21

今回の記事はちょっと気合い入ってます。タイトル通りなのですが、ものすごく長いので注意。

ちなみに今回撮影例の模型にぽこあぽこさんのケッツァーを使わせて頂きました。以前に新潟展示会の時にお借りした時に撮らせて頂きました。ぽこあぽこさんありがとうございます。

まず目次。(クリックするとページ内リンクに飛びます)

1.前置き

まず、今回は模型写真を撮る方法を自分なりなアプローチで紹介するんですが、前提、いくつか限定した内容です。まず、初心者向けの記事です。私が素人中の素人で初心者ですから。私の撮った写真(下記の写真とか)を見て「もっと巧く撮れるよ」って人は見る必要無し。というか自分より写真撮るの巧い人ものすごいいっぱいいますからね。でも逆に「模型すごい良いのに写真で損してるなぁ〜」という方もそれ以上にたくさんいますのでそういう方向けの記事です。

まぁ初心者向けにできるだけ、コストを抑えて、専門用語もできるだけ使わず、わかりやすく「それなり」の写真が撮れるようになれるTipsを紹介してみたいと思います。よろしくお願いします。

それと室内での写真撮影の方法です。野外で撮る場合はまたかなり違うテクニックが必要になってきますので。

それでは前置きはこれぐらいにして早速本題に入ります。

2.必要なもの

まず模型写真に必要なモノはなにか?ここで既に躓く方いるんではないでしょうか?カメラと模型…だけではさすがに綺麗な写真は撮れません。ではなにを用意すればいいのか。私がご提案する必要なものは以下のものです。

<絶対に必要なモノ>
・模型(対象物)
・カメラ
・三脚
・背景紙(布)
<なるだけ必要なモノ>
・ライト
・トレーシングペーパー(ディフューザー)
・撮影ブース
<あると便利なモノ>
・レフ版
・クリップ

です。一つずつ説明いたします。それぞれの設置等は後述します。

まず模型(対象物)これは撮る対象です。これは模型だろうがフィギュアだろうが要ります。あたりまえです。

次にカメラです。これも絶対必要です。しかもいくつか条件があります。三脚を使う撮影が前提なので、さすがに携帯写真機能とかは止めましょう。最低でも三脚の使えるデジカメ(アナログは使ったことないのでわかりません)です。ここで何万もする一眼レフを買えとはいいません。あくまで初心者が「それなり」の写真を撮ることが前提なので、家庭で普通にあるコンパクトデジカメ(以下コンデジ)でOKです。ただ、超小さなものを撮るとなると接写モード(マクロモードとも言う、花のマークが目印)がついてないと難しい場合があります。あともちろんお金がある人は高い一眼レフのカメラでかまいません。その方が綺麗に撮れるのは事実です。(理由はめんどくさいので書きません) それに一眼はデカイし持ち運びしにくい。普段の家族の写真も撮れて、風景も撮れて、模型写真もそれなりに撮れるコンデジでスモールスタートするのをおススメします。

<※2016 4 追記>
最近は便利なもので100均でもスマホに雲台(三脚との接続する台)を付けれるものが出てきました。クリップのように挟み込めて下に雲台用のネジ穴が開いている(もしくはミニ三脚が付属している)モノで、しかも縦置き横置き変えれます。さらにスマホ写真撮影をリモートスイッチでスマホのシャッターボタンを押せる装置まで今は百均で売っています。さらにさらに今はマクロ写真を撮れるスマホに付けれるマクロレンズなるものまで売っています。使ったことないので、どんなぐらいの精度か不明ですが。電気小物、デスクトップ周りやスマホ用品売場で売っている事がありますので、その3つを用意すればスマホでも手ブレを一切無く撮影することが可能になりました。そしてこの記事の撮影tipsに近しい事は出来なくは無いです。但し、やっぱり下記のF値とかピントやらなんやらの設定はスマホではしにくいので、デジカメが有ったほうが絶対に良いのは確かだと思います。あくまで「不可能ではない」というレベルです。それは自己責任というか各自の判断でお願いします。餅は餅屋。

次に三脚。これも絶対用意してほしい。手で撮るのは非常に難しく、手持ちで綺麗に撮るのはプロ並みの技術が必要になります。理由は単純にブレて綺麗に撮れないから。この三脚があるか無いかで写真の仕上がりに雲泥の差がつきます。

かならずしも大きく重い三脚じゃなくてかまいませんし、ビデオカメラ用でも雲台が合えば問題ありません。コストを抑えたいならリサイクルショップ等で中古を購入すれば300〜2000円程度で手に入ると思います。もしくはもっとコストを抑えたい人は100円ショップでもミニ三脚が購入できます。以下の様なタイプです。これもうまく使えば十分な効果があります。

 

次に背景紙(布)。これもあるとないとでは全然違います。fg等の模型写真を見ていると背景紙を使わずに壁とか床とかテーブルとかタンスとかそのまま写り込んでる写真は多く、素人っぽくイマイチに見えてしまいます。背景紙は100円ショップで購入が可能です。模造紙とかフェルト(手芸関係の売り場にあります)の大きなモノ等でOKです。色は黒もしくは白を選択するのが良いと思いますが、まぁできたらどっちも買っておきましょう。どっちも買っても200円で済みます。加えてお金に多少余裕がある方は背景紙に専門の「グラデーションペーパー」を使うとさらに「それっぽい」写真が撮れます。例えば私が使っているのは>グラデーションペーパー単色(グレー) GP-C2です。1000円程度なので購入も考えてみてはいかがですか?青やピンク等も色も何種類かあります。

次になるだけ必要なものライト。これもあると一歩本格的な写真に近づきます。今回は1つでかまいません。ホームセンターに売ってる裸キット(すいません名前わかんないすけど)…コードと電球差すとこだけの安いやつでかまいません。300〜800円程度で売ってると思います。。白色電球(パルックボール的なやつ。オレンジ色のものは避けましょう)も今は100円ショップにありますから合わせても1000円以下で揃えられると思います。ちなみに私は「切り入りスイッチ」も繋げてオンオフが簡単に切り替えできるようにしてあります。最近はLED電球も安くなりました。熱も出ないし長持ちかつエコですのでLED電球もいいかもしれません。普通の電球よりも少し割高かもしれませんが。

次にトレーシングペーパー。専門用語で言うとディフューザーとか言うらしいですが覚える必要無し。要は上記のライトを直接当てると光が強過ぎるので、それを調節する役割をしてくれます。これも百均にもあるかもしれないし、なにかしら代用出来るものは他にたくさんありそうです。画材屋に行けば一枚10円とか20円とかサイズ売りしてくれるところもあると思います。ホームセンターでも大概売ってるはずです。

次に撮影ブース。これもあったほうが便利。fgの「技術」のタグで調べるとダンボール等で自作する方法が多数載っています。お金をかけたく無い方はそれで十分です。すこし余裕のある方はこれなどもあります。¥ 2,720程らしいのでこれでもOK。ほかにも照明付きなどのものがありますが、今回は光源は上記の通り別に用意するのでいらないと思いますが、場合によっては、その方が良い方もいると思うので自分の場合に合わせて取捨選択してください。こういう既製品は折りたたみなどがスムーズです。

ここからあると便利なモノです。

まずレフ版。なんのこっちゃ?ってやつですが、要は光の反射版です。

これを使うことによって影の濃さを調節できます。ほとんどタダで自作できます。適当なダンボールにアルミホイルを貼るだけです。アルミホイルは一旦くしゃくしゃにしてから広げて貼付けてください。これを使うだけでもけっこう影の濃さを調節できます。…つっても私はコントラストが強めなものが好きなのであんまり使いませんw なので使いたい方はどうぞってことで。

最後にクリップ。これは撮影ブースに背景紙留めたり、トレーシングペーパー留めたり…あると便利です。100均のもので十分です。

ここでおさらいとして私の写真撮る時の設置方法を見てもらいましょう。

①は上記で言うトレーシングペーパーです。私は撮影ブース買った時についてきたビニール製(白ビニ傘みたいな感じです)のシートみたいなものを代わりに使っています。これでライトの光を緩やかにするわけですね。全体的に光りが行き渡ります。

②はライトですね。①の上にボンっと乗っけてます。熱が強く出る電球はトレーシングペーパーを燃やすので注意。(実際私は大学の頃に燃え上がらした事がある)

③は撮影ブース。これは既製品です。折り畳めて便利。

④は背景紙。上記で紹介したグラデーションペーパーです。撮影ブース幅にカットして使っています。もちろん上記で記述した100均の模造紙やフェルトでもかまいません。

⑤対象物。

⑥三脚。

⑦クリップ。こんな感じにズレないように留めるわけです。

雰囲気分かったでしょうか?只、この設置だとかなり影が強く出ます。それが嫌だ!という方はもっと他サイトにいくらでもそういう事改善する方法を詳しく書いてあるのでそっちを参照してください。ライトを2灯、3灯と増やすのも手です。(私は逆にあまり好きではないのですが)

次に…

3.カメラの設定

カメラの設定についてご説明いたします。あくまで私のおススメなので悪しからず。

つってもカメラによって設定ができるものとできないものがあると思いますので参考程度に思ってください。それぞれのデジカメの説明書とも併用して読んでください。あとそれぞれの理由はめんどくさいのであまり詳しく書きません。興味のある方はそれぞれググってください。

①ホワイトバランス→オート。初心者はオートでOK。慣れてきたらカスタムとか(付いてるなら)を使いましょう。
②ISO感度→出来る限り低く設定します。
③オートブラケット機能→ONにする。これは暗い・標準・明るめと3種類の写真を1回のシャッターで撮ってくれる機能です。これで写真撮った後に「うわぁ暗過ぎた!」もしくは「明るっ!白っ!」っていうミスが無くなります。
④シャッタータイマー→2秒に設定する。手ぶれ防止。これけっこう重要。
⑤フラッシュは絶対に使わない。
⑥画質→FINEにする(一番綺麗な画質で撮れるモードにする)

その他フォーカス(ピント合わせ)はAF(オートフォーカス)でかまいません。撮影モードが選べる機種はAオート(絞り優先オート)でOKです。慣れてきたら色々設定をイジってみてください。一部の場所だけにピントを合わせたりすることによって強調させたり、独特の雰囲気の写真を撮る事が可能になります。

それと一番今回重要なポイントF値については後述します。

4.撮り方

必要なモノを揃え、設置をし、カメラの設定もOKになりました。いよいよ撮影してみましょう。

ここで今回初めて覚えてほしい用語がF値です。

絞り値の事なんですが、理論やそれがなんなのか?というのは今回知っても意味なないので省力(もし知りたい方はコレとか見るといいかも)

おそらくそれぞれのカメラにF値の数値を上げたり下げたりできるボタンが付いています。(もしわからないならば説明書を見てみよう)

結論から先に言うとF値の数値が低ければ低い程ピントは一部にしか合わず、F値の数値が高ければ高いほどピントは広い範囲に合います。(ちなみにこれを被写界深度と言います)

言葉で言ってもよくわからないと思うので写真で具体的に見てみましょう。

 

どうでしょうか?遠目で見るとあまりわからないかもしれませんね。

それではもっとアップで見てみましょう。

 

 

どうでしょうか?違いがわかりましたか?

F値の数値が低ければ低い程ピントは一部にしか合わず、F値の数値が高ければ高いほどピントは広い範囲に合う

という事おわかり頂けたでしょうか?

では具体的にどうすればいいのか?

私はベストは模型には全体的にピントが合っていて、背景はボケているのが一番綺麗に見えると思っています。なぜかと言うと背景はできるだけ「背景紙」とわからないようになめらかな背景の方が綺麗に見えるからです。F値を最高に上げると、背景ももちろんピントが合いますから、背景が紙なのか、フェルトなのか全部わかってしまいます。そうするとちょっと汚く写ります。

上の写真もF値が低い方の写真の方が背景がボケていて、背景の見え方としては低い方が綺麗じゃありませんか?

でも低過ぎるとピントが一部しか合いませんので、中間ぐらいにします。つまり模型にはピントが合っているけど背景はボケているという数値がベストなわけです。

何枚かF値を変えて撮ってみて、一旦パソコンで確認し綺麗に撮れている数値で撮り直すの一番良いです。めんどくさい方は小さく見えにくいですがカメラのプレビューでアップで見るのも指標になります。

実は模型を撮る時はピントをできるだけ全体に合わせて、模型らしくなく本物っぽく撮る…ということを言う方が多いのですが、私はそうは思いません。それを「模型」として撮るのもの一つの手です。

私はF値低めで模型の一部に敢えてピントを合わせないでボケているところを出すのも一つの手だと思っています。そうすると、実はけっこうプロっぽく写ります。

ダラダラとF値についていろいろ書きましたが、これは個人の好みやスピード、失敗を減らしたいとかいろいろそれぞれあると思いますので、個人でベストを探り出してみてください。

ちなみにF値が高いとピントが広く合うのはいいのですが、その代わり、シャッタースピードが落ちてシャッター切るのが遅くなります。なので三脚が無いとブレブレの写真になってしまうので注意。

すこしややこしい重要な事は書いたので、次にカメラ位置の見え方についてご説明します。

大きく分けて3つあります。

です。実際にどういう風に撮れるか見てみましょう。

こんな感じに撮れるわけです。色々カメラ位置を工夫する事で迫力ある写真が撮れます。

それと余談ですが、カメラにはズーム機能付いてるものが多いですが、むやみに使うのは止めましょう。

これを説明すると長いので省きますが、アップで撮りたい場合はカメラを対象物にできるだけ近づけましょう。引いて撮りたい時はカメラを対象物から遠ざける…というようにします。もしそれで足りない場合にズーム機能で補うようにします。

これもちょっと付け加えですがライトの位置について。

上一灯の場合、このように1〜9のどこにライトを置くかで、写真の仕上がりも変わってきます。もちろん対象物自体の位置にも関係してきますが、色々試してみるものいいでしょう。

5.後書き、オマケ

オマケ。私の使っているコンデジを紹介します。

まずは値段が一番高いSIGMAのDP2さん。コンデジなのに一眼なみに写真を撮れるのだが、ちょっと値段高いし、操作も難しく、ズームも出来ないし、接写もできないのであまりおススメしない。市場価格(2011年末で)は新品で¥54,500程のようです。でも私はオークションで新古品を23,000円程で購入しました↓

 

そして次に万能なリコーのCaplio GX100というカメラですね。ズームも接写もできるし、本格的な設定もできて初心者から中級者まで幅広く対応できるカメラだと思います。これはすこし前に機種でいまはもっと後継機が発売されています。現在お値段は2万円ちょっとっぽいですね。おススメです。

 

最後にもう壊れて使えないけど、最初使ってた(スネークアイの撮影まではこれでしてました)コニカミノルタのDiMAGE G400です。たしかオークションで4000円程だったと思います。これでも設定をしっかりすれば良い写真撮れます。

 

という感じです。一眼もほしいけどね。お金無いし。

最後にまとめ。

長ーーーーい記事ですが理解…というか為になれば幸いなのですが、初心者向けの記事のわりにけっこうめんどくさそうな分かりにくい事も書きましたのでちゃんと読んでもらえるかちょっと不安ではあります…。

あくまで今回紹介した内容は基本であり、もっとクオリティの高い写真を撮る方法もあります。

でも今回言いたいのはコストはできるだけ抑えられる事。設定をしっかりする事。F値の設定を意識する事。その辺をしっかりすればそれなりに綺麗な写真が撮れる…という事をわかってほしいと思って記事にしました。

この記事がすこしでも役に立って綺麗な写真が撮れるようになってもらえたら私は幸せなのですが^^;

分からない事不明な事等ございましたらお気軽にブログコメント等もしくはツイッターで質問してください。分かる範囲でお答えします。逆にもっと詳しい方はご指摘・アドバイス等もよろしければご教授願えたらと思います。

以上。

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