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2022年 M-1グランプリ 感想

今年ももうこの時期が来ましたね。M-1 2022決勝です。

ちなみに去年の記事は>2021年 M-1グランプリ 感想

今年のまず去年と違う点は上沼恵美子さんと巨人師匠が勇退(?)し、山田邦子さんと大吉先生が審査員に加わった事ですね。上沼恵美子さんは置いといて、私は巨人師匠の評価がすごく好きだったし、しっくりきてたので居なくなったのはすごく残念でした。山田邦子さんは前の記事でも書きましたが、なんか引っかかる部分があるものの、もう決まったもんはしょうがないです。実際じゃあ誰がいいんだって言われると難しいですし。

あと過去最多のエントリー数って事ですかね。エントリー数が多いってことは分母が多いわけでそれだけ平均的なクオリティもあがるだろうって期待感がありますよね。

出場者で完全初見なのはカベポスターだけで、他はネタは初見ってのがヨネダ2000でした。なので、他はみんな知ってるのはもちろん、なんらかのネタも知ってる組ばっかりだったので、事前評価的には大波乱って感じだったんですけど、私としては安定感あるファイナリストってイメージでした。

個人的にはファイナリストで好きなコンビは男性ブランコ、あと結果的に敗者復活戦から決勝に上がったオズワルド、それにウエストランドの3組が今年の個人的な推しですね。

そんな中でM-1 2022。さぁどうなるか。

1.カベポスター

初見です。まぁ毎年トップバッター辛いすよね。しかもこのカベポスターのネタ1番手向きじゃなかった気がします。ネタ自体・ワードチョイス・構成はかなりクオリティ良かったと思います。ですが個人的には声質が二人共ダンディ系の二人で、どちらかがテンション高めとか、変化があったらメリハリあるのにな…って思ってしまいまいました。まぁ別にそういうコンビ二人共同じようなテンションでも面白い漫才は沢山あるので「それ関係無くね」って人もいるでしょうけど。 あとはツッコミの方の喋り方がもうちょっとメリハリがあったらもっと良かったかなと感じました。

2.真空ジェシカ

去年も良かったので期待してたんですけど、個人的には去年の方が好きだったかな。私は結構客観的に見るようにしてるんですけど、一つ一つのワードチョイスが一時期の見取り図のように刺さるとめちゃめちゃおもしろいけど一部の人のはよく分からんのじゃないかってワードチョイスだった気がするんですよ。例えば「俺でなくちゃ目逃しちゃうね」とかね。ハンターハンターの団長にササッと殺されたモブレベルの殺し屋キャラが放った今となっては有名なセリフですが、確かに言葉ネタとしては有名なんですけど、老若男女に分かるワードチョイスじゃない。なんなら私の60代の両親は知らんでしょう。多分小中の甥っ子姪っ子も知らない。私は本当に面白い漫才って老若男女誰もが、初見でも、いつの時代にいつなんどきに見ても笑ってしまうってのが良い漫才だと思ってて、それがちょっと引っかかった。あとちょいネタが飛んだのかな?明らかに変な間があったシーンがありましたし、緊張してたかな。

3.オズワルド
敗者復活組。敗者復活組の中で一番来そうな組がまんま勝者で勝ち上がってきました。流石の安定感かなって思いました。私は前2組よりか好きでした。やっぱり静かめ・テンション低めのツッコミと要所要所での大声で力強いツッコミのメリハリのあるツッコミが最初の頃のオズワルドに無かった良さであり強みだと思います。ただ、審査員のみなさんが言ってましたが、前半のエンジンのかかり方が少し遅かった感はあったかもしれない。ただネタの構成とか設定が良かったと思いますけどね。これも前の記事で書きましたが、去年全部出し切ってゼロからのスタートって言ってたんで、そこからここまでのクオリティまで上げてきただけで凄いと思います。でもやっぱり去年のクオリティと比べてどうか?って言われるとやっぱり去年のほうが上かなって思うんで…。この結果が妥当かな。

4.ロングコートダディ

KOCでもM-1でも安定の評価をとるロングコートダディ。それにしてもびっくりしました。笑い飯を彷彿させるWボケスタイル。たぶんお笑い好きならみんな思ったと思います。でもめっちゃ好きでした。前回のロングコートダディは確実に上回るクオリティだったと思います。最近の漫才のトレンドは動きアリのスタイルなんで、そういう所でもトレンドも押さえてたと思います。私が思い出したのは松ちゃんとウッチャンがドリームマッチで披露したデカのネタ。あれはコント形式ではあるんですけど、なんか次々と順番に別の面白キャラが出てきてっていう感じ。次々と面白い別キャラが出てくるんで見てるこっちは「次はどんなキャラが出てくるんだ」って期待が出てきますよね。テンポも良い。ただいくつか聞き取れないセリフがあった…自分の耳が悪いだけかもしれないけど。でもオチでまた謎外人が戻ってくるくだりとかオチとしては十分で良かったです。

5.さや香
さや香ってこんな感じだっけ?って5年前のネタがどんなネタだったかほとんど覚えてない。凄い良いテンションの掛け合い。さや香こんな面白かったんですね。これぞ正統派漫才だっていう面白さ。漫才の見本を見てるかのような内容でした。ほぼ文句ないレベルなんですけど、真空ジェシカの感想の所でも書きましたが、草生えるとかクリーピーナッツとかのワードチョイスだけ少し気になったかな。でも激しさもありつつ途中で凄い静かになる部分もあってメリハリもすごく良かったし、佐賀のくだりの天丼も良いし、下手したらファイナルネタ含め全ネタでネタ一つだけのレベルで言えば白眉のネタだったかもしれない。素晴らしいネタでした。

6.男性ブランコ

個人的に大好きなコンビです。コントのイメージが強いですが、漫才も出来る。最近は今回のロングコートダディもそうですし、準決勝までいってたKOC王者のビスブラ、そしてかまいたちもそうですし、二足のわらじスタイルも増えましたね。やはりサンドウィッチマンの流れを汲むようなコント漫才って感じのスタイルですね。面白かった。設定はかなりトリッキーで見たことない感じもいいですね。唯一マイナス点を上げれば手数が少し足りないかなっていう印象でした。あと前半少し緊張があったかな。八分音符のジェスチャーというかパントマイムも逆だったのあれ分かってたんか間違ったんか…。どうなんですかね。

7.ダイヤモンド

ダイヤモンドはおもしろ荘で優勝してたイメージ。なんか面白いっちゃ面白い…だけど、今回なんか噛み合ってない感じが終始あった。ワードをちゃんと文字にして見たら多分面白いんだけど、なんか漫才だとしっくりこない。特にツッコミのワード感というか、言い方とかテンション含めあれ?っていう…前半のハズし方が後半一気に捲くってくれるのかな?って期待したんですけど、それも無く…終始噛み合ってないような雰囲気がずっと続き…残念でした。

8.ヨネダ2000

久しぶりの女性芸人のファイナリスト。芸歴2年で女性でファイナリストってだけでもう凄い。快挙といってもいい。かなりトリッキーなネタでしたね。なんかR-1とかにありそうなネタを二人でやったみたいな。ボケ・ツッコミとかじゃない…トリッキー過ぎて評価が難しいと思う。でもじゃあ面白くないか?って言われると、面白いのは面白いんですよ。テンポは良かったですし。いやテンポだけって感じもありますけど。動きもありますし、審査員も言ってましたが、どうしてもランジャタイのようなトリッキーな感じをどうしても彷彿とさせる。なので好き嫌いが分かれるかな…。ハマる人はめっちゃハマると思う。だけど、やっぱり個人的には少しトリッキー過ぎて、コレジャナイ感はあった。でもKOCでにゃんこスターが出てきた時みたいな面白いけどどうすりゃいいのか?みたいな空気感あって大会的に考えてもちょうどいい飛び技な感じが良かったです。

9.キュウ

センスが良い漫才をするで有名(?)なキュウ。まぁ前から結構色んな芸人さんが若手で面白いのは誰?っていう話題でよくキュウが名前上がりますもんね。ですが、ちょっと期待外れ感は否めない内容でした。謎掛けの要素を取り入れたネタで、審査員の評価がほぼ全部的を得ていて富澤さんのセンスは良いけど、それだけで爆笑までいかないっていう評価とか塙さんの「でしょう」に頼りすぎなのにハマってないとかもその通りかなって思いました。順番が良くなかったってのもそうだなとは思いました。ネタが地味めなので、あれだけバラエティに富んだ内容のネタを見させられてからこのネタを見るとちょっとなっていうね。ツッコミ(?)も「○○でしょう~」のワードも後半しつこさというかマンネリ感があって、かなり気になりました。上手いこと天丼になってないというかね。全然キラーワードになってない感じで。

10.ウエストランド

昔からかなり好きなコンビです。井口さんの本来の性格をそのまま活かしたようなひねくれたネタが好きです。多分好き嫌い分かれるんですよね。私はめっちゃ好きですけど。前回決勝で披露したネタを今回よりブラッシュアップしたようなウエストランドらしい良いネタでした。でもやっぱり井口さんの個性をツッコミでもっと活かせるともっとさらに良い漫才になるかなって思うけど、これがもうウエストランドのスタイルというか、個性なのでそれはもうしょうがないですけど。でもあんぐらいのテンション加減で良い気もするしなぁ…井口さんの個性とキャラとワードを活かすにはあれぐらいにあっさりした感じがちょうどいいのかもしれない。佐久間さ~んってゴッドタンとかの佐久間さんの事だよね。アレだけちょっとニッチ過ぎてどうかなって思いましたけど。

ファイナルネタ

1.ウエストランド
もうここまで言っちゃったら行ってまえっ!?的な気概を感じました。1つ目のネタのスタイルそのままさらに加速させたようなネタ。見てるこっちが少しハラハラしてまうぐらいの悪口漫才。ウエストランドのもうどうなっても知らん!っていう感じがヒシヒシをあって、良かったですね。なんなら1つ目のネタよりも面白かった。大体1つ目のネタよりか落ちる場合がほとんどなんですけどね。これは凄いと思う。「前売り5500円高ぇよっっ!」のワードめっちゃ好きでした。M-1とR-1のあるなしクイズのくだりもめっちゃ好きでしたし。すごかった。審査員も凄い顔して見てたですもんね。逆にこのパターンは初めてな感じでした。

2.ロングコートダディ

1つ目のネタよりかなり落ちるネタ。ただこっちのネタの方がいつものロングコートダディっぽい感じを受けました。ただ展開含め意外性が無かったかな。あの手を掲げるツッコミも少しなんかこれじゃないなっていう感じがあって、あまり好きじゃなかった。なんか普通のリアリティ的な観点で言って、ああいうツッコミって絶対にならないので、そこで違和感になってたんかな。キュウの時に感じたコレジャナイ感が続いてる感じと同じような印象がありました。

3.さや香

やっぱりさや香も1つ目のネタに比べるとかなり落ちるネタだった。設定というか片思いされてる人が、それを気づいてないていで男女の友情が成立すると相談する…という展開でしゃべってると「お前だろ」ってなる展開は良いんだけど、そこで盛り上げていくかなって思ったけど、後半そっちより違う事で(モヒカンの事とかキスくだりとか)展開したりして、あれ?ってなりました。ネタの展開に一貫性が無いというか。頭おかしいキャラ(というか常識が無い方)が途中変わってしまうのが、意外性がある気もするんだけど、上手く見てる方の気持ちがシンクロ出来なかった感じある。片思いしてる女の子の絶対にお前に惚れてるやろ的な部分をもっと掘り下げていってほしかったな。

ファイナル3ネタは以上。

やっぱり最終的な勝敗を分けたのは2つ目のネタでしょうね。特に今回は如実だった。ロングコートダディとさや香は明らかに1つ目のネタより下がったので、せめて1つ目のネタと同等レベルのクオリティならば、さや香優勝かなってなるんですけど、明らかに2つ目のネタが1つ目のネタのクオリティを超えたのはウエストランドだけだったので、そこの総合点で言えば、やっぱり優勝はウエストランドになるのかなと。これは文句ないじゃないかな。まぁ最終判定は難しかったとは思いますけどね。

でもウエストランドのあのエグい悪口はどうなっても知らん、っていう気概を感じたし、そこの気合が勝った結果かな。あのパターンでまだ3つネタあるって言ってましたから、ある意味パターンというかスタイルというかそれを貫き通してって事を考えても良かったです。

はい。というわけで、みなさんはどう感じましたかね。

ただ、今年は最多出場(エントリー数)というわけで、過去最高レベルのクオリティを期待してたんですけど、……いや正直ちょっと残念でした。決勝10組の中でも、何組かは明らかにイマイチなネタがあって、今年のKOCにあったような出てくる組出てくる組みんなおもしれぇ!みたいな感じが無かった。もちろんファイナリストに残った組やそれ以外でも面白いネタはありましたが、平均クオリティで言うと正直残念でした。なんならここ数年で一番低かったんじゃないかな…。まぁ昔のM-1はこれぐらいが普通だったんですけど、近年クオリティがあがってる中で…って事や最多エントリー数の事を考えると、あれ?っていう肩透かし感みたいなものがあったのも事実です。あくまで自分の感覚ですけど。

あとどうでもいい話だけど、やっぱり事前Vは要らんというか蛇足感凄いですよね。ウエストランドのネタでM-1のアナザーストーリー要らん!って毒舌ありましたが、ほんとそういうの要らんっていうね。盛り上げたいのは分かるし、それが好きって人も居ると思うけど、ああいう演出は要らんなって思ってしまう。つっても他の賞レースとかで、一々観覧ゲストを紹介したり感想求めたりとかのどうでも良さよりかはまだいいですけど。そんなこといったら井口さん素人のお笑い好きが偉そうに評価したりアドバイスしてくんな!って切れてましたけど、私の記事も独り言程度に流してくださいね(笑

あと山田邦子さんの審査が少し安定感無かった。極端というか。後半修正して良くなったと思いますけど最初3~4組までの評価がフワフワしてた感じがしました。まぁ初年度だからってのもあるのかもしれませんが。来年も参加するならもう大丈夫かな?とは思いますが。

っつーわけでM-12022の感想でした。

みなさんはどう感じましたか?もしよろしければコメントなども残してくれればと思います(コメントは承認制で即時公開にはなりませんのでご了承ください)

ではまた来年のM-1記事で。

以上。

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