12月 21

はじめに

M-1グランプリのイチ個人の感想です。

M-1の感想を書くと「クソ野郎が偉そうに評価すんな」的な事言われたりするんで、先に言っときますと、素人の独り言程度の感想ですんで、見当外れだと思っても、日本の田舎に住む一人の素人の戯言だなぐらいに思って流して頂けるとありがたいです。

ちなみに去年の感想

2019年 M-1グランプリ 感想

今年はコロナ禍で現場(劇場・舞台)での漫才が出来にくい・数がどうしたって少なかった状況だと思います。通常お客さんのリアクションを感じて、間と声のトーンやリズム含めてネタをブラッシュアップするわけで。

ネタをクオリティアップするのが難しかったでしょうね。

調べたらエントリー数は去年とほぼ同等だったようです。キングオブコントが少なかったのでM-1も今年は少ないんじゃないかなと思っていたのですが、そんなことはありませんでしたね。

先に大会全体のクオリティの話ですが、過去最高と言われた去年のレベルと比べるとほんの少し劣るかもしれませんが、いや全然面白かったです。流石M-1です。日本のお笑い賞レースで間違いなくNo1ですね。圧倒的です。

決勝に残ったコンビは今回は全員知ってました。だいたい2~3組初見のコンビが居るんですけどね。今回は知ってる顔だけでした。それだけ、残った面子も猛者揃いといえるかもしれません。

審査員について

審査員はまぁ…正直紳助さんや南原さんが居た頃が一番しっくりしてましたし、今の審査員は中堅・現役の人も適度に採用してて、悪くはないんですけど、やはり不満が全く無いかと言われると少し不満は残る。正直今田さんもMCより審査員でお願いしたいぐらいです。じゃあ東野さんは?って言われると東野さんは違う感ある。というか松本人志という御大が出てるわけでダウンタウンファミリーと呼ばれる人たちは無理かな(キム兄とかも)。まとめてその辺は松ちゃんが兼ねてる的な。

ちなみにさんまさんに大会側がオファーした事あるらしいですが、さんまさんは「俺が付けたら全員0点や!」って言って断ったらしいですが(まぁあくまでさんまさんなりの返しなんでしょうけどね。それにさんまさんは未だに負けん気半端なくて俺が世界一面白い男っていう信念がるような人ですから)、正直さんまさんクラス…。たけしさんタモリさんは無理でしょうし…。落語界隈枠では鶴瓶師匠がやってくれれば…。それも無理か…。志らくさんも悪くはないんですけど…。ちょっと違うんですよね。

鶴瓶師匠なら松竹ってのもバランス的に良いような気がしますし。あとはキングオブコントでも言ってますがウッチャンがなぁ…してくれれば…。それもまた無理ですね。特にM-1は…。南原さんでもいいんですけど。とんねるずも無理でしょうし、あとは……ヒロミさんは悪くないと思いますね。

ナイナイの二人も良いと思うっちゃ思うんですけどね。個人的にめちゃイケの終わる寸前にやったガチネタ披露の回でナイナイはホント目を疑う程酷くて、未だにそれのイメージでナイナイってネタに関して面白くない・分かってないみたいなイメージあるんですよね。普段は別に普通に面白いんですけど。

元々漫才をしていた・もしくは今も現役で漫才をしているって人で、東京・大阪のバランスや、事務所のバランスもあるし、審査員は難しい問題ですね。偏れないっていう。

それにしても巨人師匠はほんと毎回素晴らしい評価・コメントするなぁって思ってて、褒めポイントや指摘含めほんと素晴らしい。自分の中で松ちゃんの次に重要な審査員だなって思います。バランス感覚みたいなものも素晴らしいですし。

ネタ感想

それではそれぞれのネタについてサラッと。

1番手インディアンス(敗者復活組)

去年より良かったです。安定して外さないですよねこのコンビは。でも去年も書きましたが、スタイルがアンタッチャブルに近くて、ちょっと劣化版アンタッチャブルという感じに見えてしまうんすよね。ボケのスタイルが似ててもネタのクオリティめちゃくちゃ高いとか、ツッコミが全然違うスタイルならまた話が変わってきますが…いかんせんやはりアンタッチャブルの領域には全然届いてない。ネタとして普通に面白いんですけど、安定しすぎてて、もっとぶっ飛んだ部分とかシュールな展開とか…もう一癖二癖あると全然良くなると思うんですけど。

2番手東京ホテイソン
私は東京ホテイソンのスタイル好きです。ただ、今回のネタのあの独特のツッコミスタイルのワードもそうですし、ネタ自体も少し分かり難い内容だった。巨人師匠のコメントがそのまま私の気持ちです。何度も見たり、喋りのテロップがあればまた全然わかり易さがアップして笑えると思うんですけど、一瞬頭で理解しようとしないとネタがスッとは入って来ないんですよね。面白いんですけど、それがサッと伝わらないと意味がないんで。脳が空っぽの状態でボーッと見てても入って来ないくだりがいくつかあった。最後のオチ部分の間は最高でしたけどね(あの間は偶然長くなったらしいですが)、何度か見返すとまた違うんでしょうけどね。決勝組では最下位でしたけど、全然面白かったですよ。次また出る時は老若男女わかりやすいワードとわかりやすいネタでキャッチーに攻めると良いかな…と。

3番手ニューヨーク
軽犯罪・中犯罪をする男(ボケ)に対してツッコミを入れるという展開の漫才。去年の歌ネタより全然良かったです。というか去年のネタはイジられてもいましたけど、イマイチだったんで今回は王道のしゃべくり漫才で良かったんですけど…。ただ私の個人的な好みとしてなんか軽犯罪・中犯罪をする男っていう設定があまり好きじゃなかったです。なんか見ててイラっとする感じ。別に漫才のボケなんだしネタじゃんって言われるとほんとそのとおりなんですけどね。私もわかってはいるんですけど、聞いてて気持ちがいい感じしないです。審査員の評価は結構高かったですけど私だったら前2組と比べて明らかに良いみたいな感じにはならないでしょうね。つってもまぁニューヨークはもう実力は実証済みですし、もう普通にアメトーークでもリーダー席に居たりするんで、もう売れてるも同然ですから…。大丈夫でしょう。

4番手見取り図
流石優勝候補の一角という感じの間違いないしゃべくり漫才。去年よりもワードのチョイスをキャッチーでわかりやすくしたなぁって印象。元々見取り図のネタのワードチョイスって独特で、そこが良くもあり、悪くもあるんで諸刃の刃って感じで、好きな人、分かる人にはものすごい分かるし面白いけど、ニッチなワードチョイス(元ネタがわからないと意味がわからないネタも結構ある)が理解出来ないと「なんのこと?」ってなる場合がある。老若男女に幅広くウケるではなく一部の人に物凄くウケるみたいな感じ。…だったんだけど、そういう面を今回は逆に結構抑えめにして、幅広く分かる安定感あるネタに仕上げてきましたね。ほんと「勝ちに来た」って感じのネタというか。面白かったです。

5番手おいでやすこが
“おいでやすこが”としては初見。おいでやす小田さんとコガケンさんはもうR-1でも活躍されてますしね。私ももちろん既知なんですが、でもまさかこの二人がユニットを組んでるのは知りませんでした。スタイルは普段のあの小田さんのピーキーなツッコミを生かしてコガケンさんのあのいつもの歌ネタに合体させた感じですね。これは確かに相性抜群。コガケンさんのネタ元々凄い好きで、それにパワフルで激しい小田さんのツッコミが入って締りますね。素晴らしかった。ファーストラウンド1位通過も頷ける内容でした。小田さんは松本家でわーぎゃー言ってたの思い出すなぁ…(笑

6番手マヂカルラブリー
3年前のアレはでも上沼さんにイジらてもしょうがないクオリティでしたが、今年は3年前とは全然レベルの違う面白さでした。スタイル的には漫才らしい掛け合いはあまりないスタイルで、ツッコミがボケの状況説明とツッコミをいれていく感じですね。霜降りなんかもこういうスタイル。だから漫才=二人の話の掛け合いという考えの人には「正統派じゃない」とか「漫才じゃない」とか言われたりしますね。私は面白いし十分漫才だって思いますけど。今回のネタはとにかく初速というか掴みがよくて、コミカルな動きも加えたスタイルがこれも霜降りを思い出す感じ。しゃべくりだけを重視するタイプにはこれまた邪道って言われる感じですね。でも動きや表情も十分漫才における重要な要素の一つだと思ってるんで全然アレですけど。というかおもしろければ勝ちですよね。よっぽど逸脱してなければ。実際サンドウィッチマンだってコントと漫才の融合したスタイルでM-1獲ってますし。はい。とにかくネタとして普通に面白くて素晴らしかった。

7番手オズワルド
オズワルドは去年より面白かったと思います。ただこれ松ちゃんは「もっと今までのオズワルドみたいな一歩引いたトーンでやってほしかった」という評価で、巨人師匠は「もっと声荒げて良いんじゃないか」って評価で本人たちも「どっち?」みたいな感じになってましたけど、これも難しい問題ですね。松ちゃんの言い分もわかる。今こういう静かなツッコミスタイルというかおぎやはぎの流れを汲むような感じのコンビってなかなか居ないんで貴重でこういう部分を伸ばしてほしいって意見も分かるし、逆にもっとそういう部分を抑えてわかりやすい緩急をつけたほうが笑いになるって意見も分かるんですよ。私個人的な気持ち的には巨人師匠派というか…。静かな抑えた感じのツッコミと、激しめのツッコミをどっちも適度に切り替えながらやると良いのかなって思ったり。いや実際やったら器用貧乏のどっちつかずで面白くないって事になりそうだからわかりませんが、なんとなくそんな感じに思います。間や静けさを大事にする漫才にはM-1の時間は少し短いのよね。もっと長いとそういう間と静けさからの溜めて溜めてのツッコミとかが生きてくるんだけど…。こればっかりはルールもあるから難しいところ。でもほんとオズワルドも面白かったですよ。

8番手アキナ
事前の下馬評で一番評価が高かったアキナ。なんか事前にどっかのニュースサイトでも「アキナが優勝だ」みたいな予想記事とか見てたんで、凄い期待してたんですけど…それ故にハードルも上がってたのか残念感は否めなかった。「あれ?」って感じ。ちょっとコントっぽさの強い微妙な人間臭さを表現したネタで、好きな人は好きだと思う。でも人を選ぶかなぁと。私ももっとキャッチーなものを期待してた。なんかくすくすは出来るけど爆笑まで行かないみたいな感じ。審査員の評価も「そりゃそうだよな」って感じでした。

9番手錦鯉
もう最近売れて始めてる錦鯉さん。私はゴッドタンで見たのが最初のような…。でも山-1にも出てましたっけ?いや出てないか。なんか記憶は曖昧ですが長谷川さんのもう50近いみたいなインパクトが牽引した感じはありますよね錦鯉。今回のネタは少しトリッキーな感じの印象でした。少しトム・ブラウンを思い出すような、シュールな感じとか。そして錦鯉もマヂカルラブリーと近い、掛け合いがあまりなく、ひたすらボケるボケに対してツッコミを入れていくスタイルですね。特に長谷川さんのボケがですね。悪くないんですけどイマイチ ドカンって跳ねるくだりも無かったかな。面白かったし流石決勝残るだけあるなって感じではあったんですけどね。ツッコミが昔ながらの思いっきりのド付きツッコミで気持ちがいい感じは好きです。レーズンパン擦りというか天丼がそこまで上手く行ってなかった印象でそこは少し残念でした。

10番手ウエストランド
ウエストランドは井口さんの方がクズ芸人・腐り芸人として結構イメージ強いですね。ネタもちょっとそういう捻くれた感じが出てて悪くなかったです。というか個人的な事だけいえば凄い好きですね。ちょっと自虐というかネガティブな考えというか。私は自身がネガティブで天の邪鬼タイプなんで、内容「わかるなぁ」って感じも多くて。ワードが凄い好きでした。「可愛くて性格のいい子…居ないよっっ!」とか「悪口漫才師が好きな娘この世に居ないから!」とか「芸人は今まで何もなかったやつの復讐劇」「え?……復讐だよ!」とか、どれも好きなワードでした……が!やっぱり合間合間のツッコミで少しイマイチなというか無駄なというか、そういうツッコミがあって、そこがテンポ的にも内容的にも勢いを殺してる感じ。グラフでいうと上がってって少し下がって…また上がってって少し下がって…の繰り返しという感じで…。ほんとに良い漫才ってずっと下がることがなくどんどん加速してダレる事も変なくだりや間も無いんで。私は好きでしたが、やはり俯瞰して考えると審査員の点数も「そうですよね」って感じですね。

ファイナル

はい。そしてファイナリストは1位おいでやすこが、2位マヂカルラブリー、3位見取り図。

ファイナルはまとめて感想を。

正直最後票が割れたのもしょうがないかなって感じで、審査員も正直頭痛かったでしょうね。人の人生を変えるほどの力がありますからM-1には。責任もありますし、でもファイナルのネタはどれも良くて、明らかに1つ目のネタよりクオリティが下がったみたいなネタは無くて、どれも面白かった。ほんとどれも面白かった。びっくりした。正統派のこれぞ漫才という感じでありつつも自分の色も出していた見取り図、動きと設定の面白さで引っ張ったマヂカルラブリー、淡々と歌ネタボケに対してピーキーな激しいツッコミ出すおいでやすこが…どれも甲乙つけがたいレベルの内容。私もどれ選ぶ?ってなったら難しいなと思います。もうここまでくると好みかなぁ…。おいでやすこがかマヂカルラブリーで見取り図は自分の中でほんの少し落ちる感じで、なんだかんだで優勝したマヂカルラブリーかもなぁ…。あのコミカルな動きや設定は素晴らしかった。おいでやすこがは1つ目のネタをほぼそのまま踏襲してる感じでしたし…。去年のミルクボーイもそうですけど。そうなると…ッて感じで。

まとめ

M-1 2020面白かったですね。このコロナ禍でキングオブコントも少しクオリティが今年は低かった印象でしたが、M-1は全然そんなことなくて圧巻の面白さでした。ほんと昔に比べると平均クオリティはめっちゃ上がってますよね。そりゃ後出しジャンケン理論で、あとの方が研究もされて面白いものが出来るってのもわかるんですが、逆にパターンも様々なものが出来てきて、新しいものを作るのが難しいという側面もあるでしょうし。

でもマヂカルラブリー野田さんはR-1も獲ったわけで、アメトーークでもR-1獲ったのに全然売れない仕事来ないって嘆いてましたけど、さすがにM-1獲ったら来るでしょう。ただ村上さんってフリートークどうなんですかね。あんまり印象ないんですけどね…。きっかけだけは出来たんで、後はフリートークですね。結局強いきっかけがあっても、本人達が真に面白い人達じゃないと定着しないですからね。頑張ってほしいものです。

はい。というわけでM-1感想でした。みなさんはどう感じましたかね。

ではまた来年~

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2 Responses to “2020年 M-1グランプリ 感想”

  1. 通りすがります より:

    個人的には東京ホテイソンの得点はもうちょっと高くてもよかったような気がしました…!

    あのネタは、たけるのツッコミワードの奇天烈さを笑うものだと思うので、謎解きの部分は正直そこまで考えていませんでした。
    ですので巨人師匠の言う「頭を使うネタでわかりずらい」という寸評には少し納得いかない部分がありましたね。

    でも私のような何度もホテイソンを見た人ならまだしも、初見の方がたくさんいる現場でやるネタではなかったのかなとも若干思いましたし….ネタ選びって難しいですよね笑

    • ブログ主 より:

      通りすがります様

      コメントありがとうございます。

      >東京ホテイソンの得点は~
      確かに私ももっと点数高くてもいいような気がしますね~

      >たけるのツッコミワードの奇天烈さを~
      巨人師匠は謎解きもそうですけど、それに付随したそのツッコミワードも含めて少し分かりづらいって思ったんじゃないですかね。もちろん分からないわけじゃないですけど、頭真っ白の状態だとスッと頭に入ってこないというか。理解しようと脳を働かせる必要があるというか、そのせいでほんのワンテンポ、意識を漫才のツッコミワードとネタの会話に傾ける必要があって、それがスッと頭に入ってこない理由なのかな~って。たけるさんの伝統芸能調の声のノリだとただでさえ一瞬なんて言ったか分かり難い部分がある場合があるので、そこがもちろん一番の武器なんですけど、あの声だからこそ、ツッコミワードももっとキャッチーでわかりやすいワードにしたほうがいいのでは?という感じなのでは…と。例えば今回の出場者で言えば、おいでやす小田さんのあのツッコミだと「わかるか~っっ!!」みたいな超シンプルで短いワードチョイスなんで、おもしろさ云々は一旦置いといてどう考えてもわかり易さでいえばおいでやす小田さんのツッコミなんですよね。

      >何度もホテイソンを見た人~
      その気持わかりますよ。私も東京ホテイソン好きではあるんです。でも漫才の…しかも賞レースでの披露ってそのコンビの知識は全く無い状態の完全な初見でも、分かるようにしないとですので。2つ目のネタも見たかったですけどね。それに点数的に最下位ではありましたけど、たぶん順番が変わってたらまた違う点数だったような気がしますし、私も自分の中の順位付けたら全然最下位じゃないです。

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